いろいろあるNFCタグですが、種類によって読み取れる距離が変わるのか検証したいと思います。
NFCチップ自体は1mmぐらいのサイズで、シール型でよくある銀色の幾何学模様はアンテナの役割をしており、そのアンテナが大きいほど通信距離が長いのが予測できますが、実際に測ってみます。
他のNFC記事を見る
検証したNFCの種類と結果
はじめに端末や製品、環境によって読み取り可能距離は変化し、あくまで参考程度の認識でお読みください。
Amazonで購入できるNTAGを3種類用意して比較してみました。
計測の仕方として、コピー用紙を重ねた状態でスマホの高さを固定しつつ、読み込めるまで用紙を引き抜いていきました。
読み取れたらダイソーで売っている超精密ノギスを使用して、NFCタグから用紙までの高さを測りました。

結果
| 形状(アンテナサイズ) | 読み取り開始距離 |
|---|---|
| カード型(7cm x 4cm) | 3.7cm |
| 円形シール型(直径2.2cm) | 2.4cm |
| 小型シール型(2cm x 0.8cm) | 1.7cm |
やはりアンテナの大きさに比例して読み取れる距離が変化していました。
シール型はどちらも2cm前後と、スマホをNFCタグを接触させるぐらいの使い方になると思います。
名刺など手にとって、かざしやすいモノへの用途に良さそうです。
かざしにくい場所にあったり、接触させることでスマホやNFCタグ側(プレートや印刷物など)に傷がついてしまうものには向いていないと思いました。
カード型は4cmほどと、割と非接触感のある距離で読み取りが可能です。
上記でもあげた、かざしにくい場所であったり、傷がついてしまう可能性がある場合などに利用するのがよさそうです。
また、スマホのNFC読み取り位置を把握されていない方が一般的かと思います。
不特定多数の方へのサービスで利用される場合は、アンテナが大きいNFCタグを利用することをおすすめします。
仕様と技術的限界の話
少し難しい話をしつつ、NFCの限界についてと、その代替となる技術について少し解説できればと思います。
仕様的な話
ISO/IEC 18092(NFCIP-1)を含むNFC規格全体で想定される通信距離は、一般的に最大で約10cmと定義されています。
そう定義されている技術なので、受け入れるしかないです。
NFC規格に合わせてスマホ側の出力も制限されています。
技術的な話
NFCタグは「スマホが出す磁界から、電力を得て、磁界を変化(電磁誘導)させて」通信をしています。
いきなり眠くなる言い方ですが、この動作が行える空間領域を近傍界(きんぼうかい)と呼びます。
その近傍界においてNFCタグに電力供給するための磁界強度は「距離の3乗に反比例」して急激に減衰します。
感覚的にイメージしやすいのが、磁石同士をくっつける際に、ある一定の距離になるとカチッとくっつきますが、その距離までは引き合う力が弱いのと同じで、スマホからの磁界も少し離れると急激に弱くなり、NFCタグへ電力を送れなくなります。
1cmの距離で磁界強度を100%とした場合、2cmで12.5%、5cmで0.8%、10cmで0.1%まで減衰します。
NFCタグの安定動作に必要な磁界強度が1%とした場合、5cmほどが限界になります。
もっと遠くから読み取りたい代替手段
お客様とお話をしていると「もっと遠くから読み取ることはできないか?」、「どの方向にあるのかわからないか?」などのご質問をいただくことがあります。
NFCは電磁誘導方式(近傍界)の技術で、スマホに標準で搭載されているNFCリーダーの出力では遠くのものを見つけることは出来ません。
業務用途であれば、代替手段として提案させていただいているのは、UHF帯のRFIDで電波方式(遠方界)を利用した通信技術で、数十cm〜1m程度での読み取りができます。
スマホ単体では使えませんが、別途リーダーをBluetooth接続するか、専用のハンディリーダーを使用することでRFIDタグを読み取ることができ、物流の現場などで使用されています。
まとめ
NFCタグはアンテナのサイズで距離が変わり、2〜4cm程度で読み取りができます。
手元で読み取れる場合は、アプリの起動がいらないNFCが選択肢に上がるかもしれません。
反面、媒体によっては遠くから読み取る必要がある場合は、QRコードをご利用いただくのが良いと思います。
業務用途であれば、UHF帯を使用したRFIDを検討いただければと思います。
まだ、手にとったことのない方にNFCをイメージしてもらうために記事にしてみました、最後まで読んでいただきありがとうございました。