ウェブサイトの設計を進めるとき、こんな経験はありませんか?
「打ち合わせでなかなか決定できない」「会議で合意したはずなのに、お客様との認識がずれていた」──。
小さなすれ違いが積み重なると、プロジェクト全体の進行にも影響してしまいます。
この記事では、お客様との会議をスムーズに進め、設計を効率的に進めるために押さえておきたいポイントを整理しました。
会議が”前に進む”4つのポイント
具体的には以下の4点を意識することで、スムーズな設計が期待できます。
- 「なぜ?」で課題を掘り下げる
- 寄り添いと導きで信頼関係を築く
- 「今」と「次」を明確にする
- プロトタイピングで視覚的にすり合わせる
引用:『デザインする力 「心を動かす」デザイナーの必須スキル24』
著:株式会社コンセント
本記事ではこちらの4点を順番に深掘りして説明していきます。
「なぜ?」で課題を掘り下げる
根本的な課題を模索する
お客様がウェブサイトをリニューアルしたいと感じたことで依頼が来ているわけですから、そこには必ずリニューアルをして改善しなくてはならない課題があるはずです。
時には、お客様自身が課題を理解できておらず、ヒアリングしても漠然とした答えしか伺えないことがあります。例をあげて見ていきましょう。
株式会社A様「今のサイトだと受注ができないのでリニューアルをしたい」
株式会社B様「ユーザーから使いにくいという意見があったのでリニューアルをしたい」
上記の2つの依頼は同じリニューアルですが課題感が全く違います。それぞれの依頼を「なぜ?」と深掘りして行った例を確認します。
株式会社A様の場合
株式会社A様「今のサイトだと受注ができないのでリニューアルをしたい」
プランナー「なぜ今のサイトだと受注ができないと感じましたか?」
株式会社A様「問い合わせがほとんど来ないです。」
プランナー「なぜ問い合わせに繋がらないと思いますか?」
株式会社A様「サービス内容が分かりにくいと言われたことがあります。」
プランナー「なぜ分かりにくいと言われてしまったと思いますか?」
株式会社A様「商品説明のテキストが多くて、必要な情報がどこにあるか分かりにくいと思います。」
このやりとりから想定される一番大きな課題は、問い合わせに繋がる情報設計や導線が弱いことであると考えられるので、このリニューアルで優先して解決すべき問題は動線設計と結論づけることができます。
株式会社B様の場合
株式会社B様「ユーザーから使いにくいという意見があったのでリニューアルをしたい」
プランナー「なぜ使いにくいと言われてしまったと思いますか?」
株式会社B様「メニュー構成が複雑で、サイト内で同じような内容が複数箇所にあるからだと思います。」
プランナー「なぜそうした構成にしているのですか?」
株式会社B様「前にリニューアルをしてからも新しい情報を都度追加してしまっているので整理できていない状況です。」
このやりとりから想定される一番大きな課題はユーザビリティ、情報設計が不足していることであると考えられるので、このリニューアルで優先して解決すべき問題はユーザビリティと情報設計をすることと結論づけられます。
このように同じリニューアルでも企業によって課題感がそれぞれ違うため、何を目的としているかを初期の段階で確認する必要があります。
時にはお客様の解釈が間違っていることもあるので全てを受け入れるのではなく、時には疑問を持ちながら課題の根本を確認することが大切です。
寄り添いと導きで信頼関係を築く
お客様との打ち合わせでは「寄り添う」と「導く」という2つの姿勢が大切です。
お客様の理想や要望を受け止め、安心して意見を出せる雰囲気をつくること、そのうえで、専門家としての知見を活かし、実現可能で効果的な方向へ導くことが求められます。
お客様に「寄り添う」
お客様の中には「漠然とこうしたい」というイメージがあるが、専門知識がなくうまく言語化できない方も多くいらっしゃると思います。
時には絶対にしない方が良いという理想を持っていたとしても、最初から否定してしまうとお客様との関係値が悪化して意見や希望をうまく出せず、最終的に理想と全く違うサイトになってしまったということになりかねません。まずお客様の理想や意見をたくさん出していただき聞くこと、一旦受け入れること、その上で実現が難しいものやしない方が良いものについてはしっかりと理由を説明し納得していただくことが重要です。
お客様を「導く」
会議の際、時には行き詰まってしまうこともあると思います。
お客様同士で検討している場合でも、その場合はこちらから様々なアイディアを出し、お客様を導く必要があります。お客様はウェブサイトリニューアルにおいて初心者であることも多いため、そこをサポートできるように実現できること、お客様の要望を叶えられる案を出すことで、より円滑に会議を進めることが可能となります。
「今」と「次」を明確にする
お客様との会議では時に話が脱線してしまうことも少なくありません。
脱線してしまうと決めたかったことが決められなかったり、話がややこしくなってしまったりと悪循環となってしまいます。
そこで重要なのが「決めること」と「宿題にすること」を整理することです。
決めるべきことのリスト
- 今日必ず決めること
- 優先順位(決定事項と保留事項の区分)
- このまま進めて良いか、見直す必要があるか
- 宿題:誰が・何を・いつまでに対応するか
決めるべきことを明確にすることで脱線しても、優先順位に沿って「今」決めるべきことを進めることが可能となります。また「誰」が「何」を「いつまでに」するかという点も明らかにしておくと流れることがなくその後の設計もスムーズに進めることができます。
プロトタイピングで視覚的にすり合わせる
プロトタイピングとは、完成品を作る前に試作品(プロトタイプ)を作って、確認する手法のことです。ワイヤーフレームデザインツールなどを使用し、視覚的にすり合わせを行います。
もし余力があるのであれば、ワイヤーフレームを確認していただいた上で発生した修正事項をその場で対応できるとより正確な認識のすり合わせが可能です。口頭だけでは伝わらないイメージも、形にすれば一瞬で共有できます。
ただし、会議の時間は限られているため時間のかけすぎは禁物です。「ざっくり認識をそろえる」ことに徹するのがポイントです。
プロトタイピングの例
- デザインツールでサイズ感やレイアウトの確認
- 画面遷移を簡易的に再現する
- 紙やホワイトボードで画面を描く
まとめ
ウェブサイトの設計は、技術やデザインだけでなく、お客様とのコミュニケーションの質が成功の鍵を握ります。
- 「なぜ?」で課題を掘り下げる
- 寄り添いと導きで信頼関係を築く
- 「今」と「次」を明確にする
- プロトタイピングで視覚的にすり合わせる
この4つを意識することで、会議は前に進み、設計もスムーズに進行します。
小さなことの積み重ねが大きな成果へと繋がりますので、ぜひ実践してみてください。